第一次大戦までの時期には、マーラーやR.シュトラウスらが後期ロマン主義の手法で作曲する一方、ドビュッシーやラベルの印象主義、シェーンベルクやベルクの表現主義、ストラビンスキーやバルトークの原始主義が、新たな傾向として現れた。両大戦間の時代はストラビンスキー、ヒンデミット、プーランクやミヨー、オネゲルといったフランス6人組などによる反ロマン主義的な新古典主義の時代と特徴づけることができ、技法的には新ウィーン楽派による十二音技法の誕生が重要である。第二次大戦後になると、シュトックハウゼンやブーレーズによるミュジック・コンクレートと電子音楽とともに新しい音響媒体が出現し、ケージらの偶然性の音楽が伝統的な音楽の観念を破壊するなどして、さまざまな方向で真に革新的な音楽が試みられた。1970年代以降は、広義での調性やロマン主義に回帰する傾向(新ロマン主義 Neo Romanticism)がある一方で、非常に演奏の難しい作品を書く前衛の第二世代(新複雑主義 New Complexity)の活動や、非ヨーロッパ諸国の民族的な要素と交わったさまざまなタイプの世界音楽(Weltmusik 独)的傾向が顕著である。