広義にはポピュラー音楽の大部分を指す。狭義には主に若者向けの軽快なポピュラー音楽を意味する。いまでは主に洋楽のヒット曲や洋楽的な要素を取り入れた邦楽のヒット曲に対して使われているが、1970年代には若者向けの歌謡曲がポップスと呼ばれていたこともあった。60年代まで「軽音楽」「ポピュラー」と呼ばれていた音楽とも範囲はかなり重複する。英語ではポピュラー音楽は通常sをつけずにpopと書かれ、50年代までは、いまではスタンダードとみなされているような音楽を指し、60年代以降は主にロックやR&B(リズム・アンド・ブルース)的なリズムの曲を指すようになった。popには動詞として「はじける」、形容詞として「通俗的な」という意味があり、音楽用語のpopにはそのニュアンスも含まれる。広く聞かれることをめざして作られ、複製され、さまざまなメディアを通じて聞かれる曲が多いことから、いわゆる芸術音楽(クラシック)や民俗音楽(フォーク)と区別されてきたが、近年はジャンル間の交流も進んでおり、境界線は必ずしも明瞭ではない。