ポピュラー音楽の一種。電気楽器を使用した8ビート(エイトビート)の大音量の演奏、叫ぶような歌、体を動かしながらのパフォーマンスなどを特徴とするものが多く、しばしば若者の反抗と結びつけて語られる。ロックンロールは、黒人のR&B(リズム・アンド・ブルース)、南部の白人のカントリー・ミュージック、都市の白人音楽ポップなどが融合して1950年代にアメリカで生まれた。ロックンロールという言葉は50年代以前から歌の中に登場していたが、54年にニューヨークのラジオDJアラン・フリード(Alan Freed 1921~65)がリズム&ブルースをこの名前で紹介したのをきっかけに特定の音楽の名称として広がりはじめた。56年にエルビス・プレスリー(Elvis Presley 1935~77)が爆発的な人気を得てからは、白人の音楽というイメージが強まった。50年代のロックンロールには4ビートの感覚が残っているものが多かったが、60年代中期までには硬質な8ビートの大音量の演奏が増え、ロックと短く呼ばれるようになった。狭義にはロックンロールは50年代のスタイルの音楽を、ロックは60年代中期以後の音楽を指すが、現実にはその後も両者は混用されている。60年代末以降、ハード・ロック、プログレッシブ・ロック、パンク・ロック、ヘビー・メタル(ヘビ・メタ)など無数のサブジャンルに分岐して、ポピュラー音楽の一大潮流をなしている。