20世紀後半以降のアフリカ系アメリカ人のポピュラー音楽の主流を指す言葉。それまでレイス・レコードと呼ばれていたアフリカ系アメリカ人のブルースやジャズなどのポピュラー音楽を1949年から音楽情報誌がこの名前で扱うようになった。命名者は後にプロデューサーとしても活躍したジェリー・ウェクスラー(Jerry Wexler 1917~2008)。50年代前半にはその一部がロックンロールと呼ばれるようになった。50年代後半には電気楽器の導入が進み、ゴスペル色を強めたものがソウル(soul ソウルミュージックSoul Music)と呼ばれるようになった。アフリカ系アメリカ人の公民権運動の高まりを受け、ブラックという言葉に誇りをこめてブラック・ミュージックと呼ばれた時期もある。1970年前後に誕生した16ビートの音楽はファンクと呼ばれた。70年代末から80年代にかけては、ここからヒップホップが分岐していった。しかし21世紀に入ってからはR&B/Hip-Hopと総称されることも多い。主なアーティストにルイ・ジョーダン(Louis Jordan 1908~75)、ルース・ブラウン(Ruth Brown 1928~2006)、レイ・チャールズ(Ray Charles 1930~2004)、サム・クック(Sam Cooke 1931~64)、オーティス・レディング(Otis Redding 1941~67)、スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズ(Smokey Robinson & The Miracles)、インプレッションズ(impressions)、ジェイムス・ブラウン(James Brown 1933~2006)、スライ&ザ・ファミリー・ストーン(Sly & The Family Stone)、テンプテーションズ(The Temptations)、マーヴィン・ゲイ(Marvin Gaye 1939~84)、スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder 1950~)、アリサ・フランクリン(Aretha Franklin 1942~)、オージェイズ(The O'Jays)など。