旅行業者がコースを設定し、乗り物、宿泊先、観光などの手配を済ませ、定価をつけて売るレディーメードの旅。一般にパック旅行と呼ばれる。団体のため費用が安く、効率的な観光ができ、一人でも参加が可能で、ツアーコンダクター(添乗員)が同行する海外旅行では出入国手続きや言葉の問題などの心配が少ない、といった長所がある。半面、観光地が限定され、コースや期間の変更などの自由がきかないなどの欠点もある。しかし、海外旅行10回以上のハード・リピーターも少なくない現在、多様化したニーズに対応すべく、旅行会社ではさまざまな商品を開発している。例えば添乗員、食事付きのフルパッケージ商品では、砕氷船による北極点ツアー、世界一周クルーズ、エコツアー(→「エコツーリズム」)や各種のイベントツアー、さらには宇宙旅行の商品化も始まった。人気の高いデスティネーション(目的地)では、毎日出発・最低2人(または1人)催行保証や、同行者すべてが一人旅の一人参加限定ツアーもある。今後は定年退職後の団塊世代向けのロングステイや語学研修、音楽鑑賞などのツアーの商品化が活発になるものと思われる。パッケージツアーに対し、個人手配の旅行をFIT(fully independent tour)と呼ぶ。パッケージツアーに比べ料金は割高になるが、コースや日程、宿泊施設などを自由に決められるため、旅慣れた旅行者に人気がある。