ビルなどの屋上に作られた菜園のこと。個人や集合住宅、老人ホーム、商業施設やオフィス、駅ビルなどの屋上に開設されており、法人組織が運営するものの多くは会員制貸し農園となっている。小田急線成城学園駅西口の線路屋上に開設した「アグリス成城」(→「市民農園」)は、約5000m2を300区画に割った会員制貸し農園。「銀座の田んぼ」を手がける都市菜園事業の銀座農園は、東京都渋谷区表参道のビル屋上に、1区画約3m2の菜園16区画を開設。これらの中には、更衣室や農具などが準備してあり手ぶらで行けるところや、常駐スタッフが農作業の指導や水やり、除草など日常の管理を行う施設もある。利用者は近隣の会社員などで、通勤途上や昼休みなどに作物の手入れができる便利さが、人気を呼んでいる。果樹などの永年作物も栽培できる個人所有の場合を除き、1年ごとに更新する会員制貸し農園では、手軽に栽培できるミニ野菜がもっとも適している。都市部では、屋上に植物を植えることによる遮熱効果ばかりではなく、手軽に土や緑に触れられるリラックス効果、収穫の喜び、さらには食べる楽しみが加わる屋上菜園(→「キッチンガーデン」)は人気も高く、今後さらに増えていくと思われる。