主に身近な植物が持っている殺菌・消毒成分を利用した病害虫防除資材のこと。農薬取締法に規定された特定農薬(特定防除資材)である重曹、食酢、地場の天敵をはじめ、従来民間薬として使われてきたトウガラシ、ドクダミ、牛乳や、特定農薬からは外されたが、その広い効能からホームセンターなどで市販されている木酢液など、多くのものがある。例えば重曹(トロナ鉱石由来の天然重曹)の8%希釈液は人体に影響がなく、クローバー、カタバミ、タンポポ、チガヤなど、多種類の雑草に対し枯死・生育抑制効果があることがわかっており、学校や公園などの公共施設内での芝生の雑草防除や、高速道路沿いの草地に集中散布することでクズの根絶などに用いられている。近年中国産食品の農薬混入が問題となり、一般家庭でも有機農法のみならずこれら自然農薬への関心が高まっているが、自然農薬の中には、アセビ、シキミなどの有毒植物もある。これらを有効かつ安全に使用するためには、信用できる資料に基づいて、目的に応じた植物の種類や成分の抽出法(煮出し、アルコール抽出、酢抽出など)、用量、適用等を守り、適正に処理する必要がある。