青いシクラメンと呼ばれるものは国内に数品種(系統)存在するが、いずれも突然変異により花色を変化させたもので、遺伝子組み換え技術が使われていない点で、青いバラなどとは大きく異なる。市販品種「セレナーディア アロマブルー」(登録名「ホクコーミニ3号」)は、北興化学工業株式会社が、紫色の芳香品種「フレグランスミニ・パープル」の培養細胞から体細胞突然変異により育成した青紫色品種である。当初「フレグランスミニ・アメジストブルー」として販売していたが、2011年からサントリーフラワーズ株式会社が販売を担当するに当たって名称を変更した。また、「ホクコーミニ3号」と桃色八重咲品種とを交配して、青紫色八重咲品種「セレナーディア フリルブルー」(登録名「ホクコーミニ9号」)も育成。いずれも、ジャパンフラワーセレクションでベスト・フラワー賞を受賞している。一方、埼玉県農林総合研究センター、独立行政法人日本原子力研究開発機構及び独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構が、芳香シクラメン品種「香りの舞い」にイオンビームを照射し、世界で初めてデルフィニジン(delphinidin)を主要色素とする芳香シクラメンを作出。しかし、バラなどでは青くなるデルフィニジンが、このシクラメンでは赤紫色にしかなっていない。デルフィニジンが青色を発色するには、ある種の金属や酸などと結合する必要がある。