中国政府の主導で規格化された、中国における、ハイビジョン映像が収録可能な光ディスクの国家標準規格。DVD、ブルーレイディスク、HD DVD関連の特許料支払いを回避する目的があるとされる。技術面では、現行DVDと同一の2層式ディスクに、既存の光ディスク用記録フォーマットであるUDF (Universal Disk Format)を用いるものの、映像コーデックにアメリカのOn2 Technologies社が開発したビデオ圧縮技術「VP5」および「VP6」記録を採用し、最長で105分のハイビジョン映像が収録可能となっている。2006年12月には、中国の家電大手であるハイアール、TCLなど20社が、08年に現行DVDプレーヤーの生産をEVD対応機種に切り替え、EVDの本格普及を目指すという内容を盛り込んだ「北京宣言」を発表した。ただし、ハリウッドのメジャーな映画会社がEVDによるソフト販売を行う可能性は極めて低く、ブルーレイディスクに対抗する勢力とは成り得ないと見られている。同年3月、技術的な改良を加え、名称を「HD-EVD」に変更したが、その詳細は明らかにされていない。