デジタル放送番組を各種デジタル録画機で録画する際、著作権保護の目的から、コピー回数などに制限が設けられている。2004年4月から運用されているコピーワンスは、HDD(ハードディスクドライブ)に録画したデジタル放送の番組をDVDへ移す場合、コピーワンス、つまり「一度だけ録画可」のルールが適用され、HDD側の番組が消去される決まりとなっている。こうした「ある機器からある機器へのデータの移動」をムーブ(move)という。だが、(1)複数のコピーやバックアップを持てないことに加え、(2)DVDへムーブの際に、標準画質に変換されること、(3)ムーブ中に機器トラブルがあった場合でも、番組が消失してしまうことなどの問題もあり、消費者の買い替え意欲を阻害しているとの見方が多かった。その後、08年7月、ダビングを10回(コピー9回+ムーブ1回)許容する「ダビング10」 の運用が開始され、地上デジタル放送番組を中心に適用されている。BSデジタル放送やCSデジタル放送「スカパー!」の有料放送番組などは、現在もなお、原則としてコピーワンスルールが適用されている。