HD音源(high definition music)と呼ぶケースもある。明確な定義はなく、高解像度を意味する「ハイレゾリューション」を略して音源に当てた呼称。CDのサンプリング周波数44.1kHz(キロヘルツ)/量子化ビット数16bit(ビット)よりも高密度な音声データをさす(1秒間の音声を4万4100回サンプリングし、それぞれの強弱を2の16乗=6万5536段階で表すこと→「符号化」)。一般に96kHz/24bitや192kHz/24bitなどの音源がこれに相当し、サンプリング周波数96kHzでは最大約50kHzの高域音を、192kHzでは最大約100kHzの高域音を収録・再生可能で、いずれも人間の可聴上限に合わせて開発されたCDの最高域音20kHzを大きく上回る。量子化ビット数は音の大小表現にかかわる項目で、24bitは16bitの256倍の分解能をもち、再生可能な最大音と最小音の対比が16bitでは理論上96dB(デシベル)に対し、24bitでは144dBと、人間が知覚できるとされる上限の120dBを超える。これに相当する規格の音楽ソフトとして、従来からDVD-AudioやSACD(Super Audio CD〈Compact Disc〉)といったパッケージメディアが存在するが、再生装置が限定されるなどの問題もあり、広く普及するには至っていない。現在は、ハイレゾ音源のネット配信やハイレゾ音源対応のUSB-DAC、およびネットワークオーディオプレーヤー(→「ネットワークプレーヤー」)が登場し、オーディオマニアの間で注目されている。