スタジオジブリ長編映画の第20作。2014年7月19日、東宝系公開で興行収入35.3億円を記録した。イギリスのジョーン・G・ロビンソンによる同名の児童文学作品を原作に、「借りぐらしのアリエッティ」(10年)の米林宏昌監督が舞台を日本の北海道に置き換え、映像化した。幼少期に肉親を亡くし、養親に育てられた少女杏奈が、ぜんそく療養のため訪れた先で、洋館に住む不思議な少女マーニーに出逢(であ)う。岩井俊二監督、クエンティン・タランティーノ監督、チャン・イーモウ監督などによる数々の実写映画で独特の世界観を提供してきた種田陽平が、美術監督として参加。「千と千尋の神隠し」や「ももへの手紙」(12年、沖浦啓之監督)を手がけた安藤雅司が作画監督を担当し、少女の感情の起伏をファンタジックな舞台とともに描き出す。本作公開中の14年8月4日、スタジオジブリは制作部門を解体すると発表した。前年、宮崎駿監督(→「宮崎駿アカデミー賞名誉賞受賞」)が長編から引退するという報道を受けてのこと。これにより、ジブリ社内で制作の中核を担う体制は、本作で終了することとなった。