「ガンダム」シリーズ35周年記念作品(→「ガンダム市場」)。原作者富野由悠季監督の新作テレビアニメで、2014年10月よりMBS「アニメイズム」枠で2クール(全26話)放送。それに先立つ同年8月には、2週間の期間限定で第3話までが全国13の劇場で先行イベント上映された。人類が絶滅の危機から脱して約千年が経過し、宇宙エレベーター「キャピタル・タワー」を経由して地球各地へエネルギーが配布されていた。そこに「G-セルフ」というモビルスーツが出現したことから、主人公ベルリ・ゼナムの運命は大きく変わる。地球上と静止衛星軌道をワイヤで結ぶ宇宙エレベーターに、科学を禁忌とする宗教的制度を絡めるなど、独特の世界観の中で少年は冒険の旅を体験する。モビルスーツ戦を交えながら、さまざまな陣営で人の思惑が交錯するドラマが見どころで、監督自ら全話の脚本を書き下ろしている。富野は宮崎駿(→「宮崎駿アカデミー賞名誉賞受賞」)と同年生まれ(学年は1つ下)であり、70代の巨匠が渾身の力で送るアニメ作品としても見逃せないものがある。