2008年2月より「コミックビーム」(エンターブレイン)に連載されている、ヤマザキマリのギャグマンガ。主人公はローマ帝国でハドリアヌス皇帝に使える浴場設計者、ルシウス・モデストゥス。謙虚でまじめで知識欲旺盛な男である。浴室の設計に頭を悩ましていたルシウスは、突然タイムスリップして現代日本の温泉や風呂場に出てきてしまう。言葉の通じない日本人を「平たい顔族」と呼ぶ彼は、日本の風呂文化に驚愕し、そこからさまざまなアイデアを得て、再びタイムスリップしてローマに戻ると、斬新で快適な浴場をつくりあげ、注目を集める。風呂文化というこれまであまりマンガで取り上げられたことのないテーマで、異文化との遭遇から生まれる笑いを描いた作品として、人気を集めている。2010年には、書店員が選ぶ「マンガ大賞2010」(第3回)と、第14回「手塚治虫文化賞短編部門」を受賞した。