フランス生まれの原作者ブノワ・ペータース(Benot Peeters)とベルギー生まれの作画家フランソワ・スクイテン(Franois Schuiten)による連作短編形式のバンド・デシネ(BD)のシリーズ。現実の世界とは紙一重だけ隔てられた奇妙な都市群を舞台に、SF作家ジュール・ヴェルヌや物理学者のアインシュタインらも登場して、いままでに体験したことのない不思議な物語が、リアルなタッチで描かれる。2011年12月に「狂騒のユルビカンド」「塔」「傾いた少女」の3編を収録した第1巻が、小学館集英社プロダクションの手で初翻訳出版されて話題になった。さらに12年10月には、「サマリスの壁」「パーリの秘密」「ブリュゼル」と外伝「古文書官」の4編を収録した第2巻も出版された。12年11~12月にはスクイテンのイラスト展が「アンスティテュ・フランセ東京(旧東京日仏学院)」で開催されるなど、日本のマンガファン、アートファンの間でも人気が高まり、「闇の国々」は12年12月に第16回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞している。13年3月には第3巻発売、そして同年中に全4巻が完結予定。