「寄生獣」で知られる岩明均が講談社のマンガ誌「月刊アフタヌーン」に2003年3月号から連載中の歴史マンガ。舞台は紀元前4世紀のギリシャ、トルコ地方。主人公はマケドニアの王・アレクサンドロス(アレキサンダー)大王の臣下だったエウメネス。プルタルコス(プルターク)の「英雄伝」にも記録が残りながら、その前半生は「祖国を追われた者」と記されているだけという謎の多い英雄エウメネスに新たな解釈を加えて描く壮大な歴史絵巻である。ギリシャの都市カルディアの裕福な家に育ったエウメネスは、スキタイ人の血を引くことが知られたために奴隷の身分に落とされた。船で売られていく途中、船が難破した隙に逃亡したエウメネスは、マケドニア王フィリッポスに認められて、書記官となり、王子のアレクサンドロスと出会う。アレクサンドロスには二重人格という秘密があった。やがて、マケドニア軍は東方のビザンティン帝国攻略に兵を進める。10年に第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、12年には第16回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞。