職人による少量生産のビール。大手メーカーによる大量生産の市販ビールではなく、マイクロブルワリー(小さな醸造所)で造り手が自由に造るビールをいう。造り手はもちろんのこと、その土地の個性をアピールしたビールが多かったため「地ビール」と呼ばれていたが、現在ではかなり造り手の個性、職人としてのこだわりがクローズアップされるようになってきた。日本における地ビールは、1994年にビール酒造免許の取得条件がそれまでの年間2000リットルから60リットルに下げられたことを契機に、全国に地ビールブームとして広がった。一時は200以上もの醸造所ができたが、多くの地ビールは味や品質を追求するまでに至らず、数は減っていった。いっぽうでこだわりをもった造り手によるクラフトビールが国内外のコンクールで賞を取り、再注目されることにより再びブームになろうとしている。観光地ではなく、バル(酒場 bar)や立ち飲みなど、ビール愛好者の集まる店で飲めるようになったことで、ますます愛飲者は増えそうである。