低温で貯蔵し熟成させた食肉のことで、赤身の牛肉に対して行われるものが有名。熟成すると香りがよくなり、たんぱく質が分解されアミノ酸が増えることでうまみが増し、肉の繊維が壊れて肉質がやわらかくなる。熟成法の一つ、ドライエージングという方法は、熟成庫内の温度を4℃以下、湿度を80%ぐらいの高湿度にし、空気を循環させて2週間から3週間寝かせるというもの。専用の熟成庫が必要なため、肉屋で熟成させてから飲食店に提供されてきたが、熟成肉のおいしさが広まったことで、店内に熟成庫を作り自ら熟成を行うレストランも増えてきた。その際、熟成庫を客席から見えるように設置し、肉そのものが目を引くような演出をしていることが多い。牛肉だけではなく、豚肉や鶏肉、冬場は鹿肉や鴨肉などのジビエも、店の“装飾品”として飾られる。熟成法には、肉をパックして保存するウェットエージングという方法もある。