「昆虫を食べる」というと、日本ではゲテモノ食いと思われがちだが、昆虫を食べる習慣は世界では珍しくはない。東南アジアや中国、南米、アフリカでは現在も虫や幼虫を食べているという。また、日本でもイナゴや蜂の子を食べる風習は残っている。ただ、それがガストロノミー(美食)の世界で、となると話は違ってくる。イギリスの専門誌「レストラン・マガジン」が毎年行うランキング「ザ・ワールズ・フィフティー・ベスト・レストラン(世界のベストレストラン50 The World’s 50 Best Restaurants)」で、2010年から3年連続1位を獲得しているデンマークの「ノマ」が出した、昆虫とハーブのオゼイユをペーストにした料理は、人々を驚かせた。それでも世界一といわれる人気のレストランに来て、その料理を食べない人はいない。実際に食べた人は「意外にさわやかでおいしかった」との感想を述べている。また、イタリアの料理雑誌の表紙に昆虫をテーマにした料理が掲載されたこともある。