一般的に「持続可能性」と訳され、環境保護に関する取り組みを指す。経済活動を行う上で、同時に環境保護、社会貢献なども意識しなければ、限りある資源は簡単に枯渇してしまう。生産、流通、サービス業など、さまざまな分野でサステナビリティーを考慮することが社会的責任でもある。その意識が飲食業界や個々のレストランにも広がってきた。世界中のレストランをランキングする「ザ・ワールズ・フィフティー・ベスト・レストラン」でも、2013年からサステナビリティ賞が設けられた。専門の調査機関による審査表には、素材の調達、環境、社会の3項目それぞれに質問が用意されている。たとえば、素材購入の際、農業生態学・有機農業規格に認められたものを使うか、コーヒー、紅茶はフェアトレード規格に認められたものか、従業員の採用方法、地域コミュニティとの関わり、水やごみの処理などまで、50近い質問がある。この賞の第1回受賞者に、東京・南青山の「NARISAWA」が選ばれた。科学的な土壌検査をした上で、安全な土を料理に使用した「土のスープ」が象徴するように、成澤由浩シェフは安全な素材、日本の自然環境の素晴らしさを世界に発信し続けている。