2000年頃から登場した、オーガニックやスローフード、スペインバルやワインバル、立ち飲みなど、新しいコンセプトやスタイルを持つ店。なかでも、11年オープンの「俺のイタリアン」を皮切りに、様々なジャンルに進出した「俺の○○」シリーズは注目を浴びた。社長は「ブックオフ」の創業者である坂本孝。高級素材を使った高級料理を立って食べる、シェフは有名店出身でしかもベテランという、既存の飲食ビジネスの常識にとらわれない方針が、飲食業界自体に大きな変革をもたらした。飲食業界は若手不足である半面、年代によっては腕の確かなシェフが数多くいる。その人材を生かすことで、フォアグラのような高級素材の料理を安く気軽に提供できることから、フレンチに無縁だったサラリーマンが行列を作り、女性客も話題につられて並ぶようになり、一気に店舗数や業態を増やした。14年2月現在、「俺のフレンチ」、「俺の割烹」、「俺のやきとり」など19店舗を展開している。13年には「俺のイタリアンJAZZ」でジャズライブも開始。料理だけでなく、ジャズのスタッフを確保するためにスクールまで作る徹底ぶりは、飲食店の域を超えた発想。料理とエンターテインメントを融合させ、さらに差別化を狙う。