スポーツ界の紛争を解決するための独立機関。本部はローザンヌ(スイス)。ドーピング違反による争いなどが法廷闘争に持ち込まれることを懸念した国際オリンピック委員会(IOC)が1984年に設置し、その後中立性を確保するため独立した。2000年にシドニー・オリンピックの水泳代表から漏れた千葉すずが選考方法が不透明として、日本選手として初めて提訴したが、退けられた。08年にはハンドボールの北京オリンピック・アジア予選男子のやり直しが有効と認められ、サッカーのJリーグでドーピング違反とされた川崎フロンターレの我那覇和樹の処分を無効とする判断が下された。CASをモデルにして、03年に日本スポーツ仲裁機構(JSAA ; Japan Sports Arbitration Agency)が発足している。