筋肉増強効果があるとされる禁止薬物。成長ホルモンの分泌不足などで身長が伸びない子どもの治療に使われ、若返り目的で利用されることもある。長期的乱用は心筋症、高血圧などの副作用をもたらす。1990年代からスポーツ界でも広まったとされ、98年の世界水泳選手権では中国女子選手が注射用製剤を押収されてオーストラリアから強制送還され、4年間の出場停止処分を受けた。体内に痕跡が残る期間が短く、競技以前のトレーニングで使われるため、摘発が困難。オリンピックでは2004年のアテネ・オリンピックで初めて検査が実施され、08年北京オリンピックでは血液検査法が導入されて400件以上を調べた。北米プロスポーツでの使用が指摘されており、大リーグでは05年から使用禁止となっている。大リーグとアメリカン・フットボールのNFLが共同でHGH検出についての研究を進めている。