[一言で解説]
裁判は、裁判官が1人で行うこともあれば、複数で行うこともある。複数で行う裁判所を「合議制」の裁判所といい、その裁判所を代表するのが裁判長である。
[詳しく解説]
裁判員裁判が行われる地方裁判所の審理は、裁判員のほかに3人の裁判官で構成され、その1人が裁判長を務めます。キャリアの長い裁判官が裁判長になることが多いですが、同程度のキャリアのこともあります。
裁判長は、裁判員や陪席裁判官にはない重要な責任を負っています。たとえば裁判員裁判では、評議において、裁判員に、必要な法令に関する説明を行い、裁判員が職責を十分果たせるように配慮する責任を負います。また、裁判長は、合議体を代表して「訴訟指揮」を行います。裁判をスムーズに進めるために、事件の内容や裁判の進み具合に応じて、当事者の主張を整理したり、その説明を求めて裁判の進行を仕切ったりするのが訴訟指揮です。
裁判の最後には、判決の宣告を行いますが、これも裁判長が行います。主文として、「被告人を無期懲役に処する」と法廷で宣告し、それに次いで判決理由を朗読します。
このように裁判長は、その事件の裁判の主宰者といえます。