[一言で解説]
関係者が法廷でどういう証言をするかが、あらかじめわかっているときに、検察官と被告人・弁護人とが合意のうえ、予想される証言内容をまとめた書面。この文書にはそのまま証拠能力が認められる。
[詳しく解説]
証人が法廷で証言しても、その証人が見間違い、覚え違い、言い間違いをしている可能性があり、誤った裁判にならないように真実性をチェックする必要があります。このチェックは、刑事裁判では反対当事者(検察に対する被告人側など)による証人尋問によって行われます。これを省略できるのが、合意書面を作成した場合です。証人がどういう証言をするかが前もってわかっていれば、当事者同士が反対尋問を通じてチェックしなくとも、誤りのある危険性は小さいでしょう。また、省略したほうがかえって証拠調べの時間を短縮できるメリットもあります。従来は合意書面が実務で活用されることはあまりありませんでしたが、裁判員裁判では裁判員が裁判にかかわる時間的負担を軽減することが重要です。そこでこの合意書面が活用されることが期待されています。
(関連項目)
→証言
→当事者/反対当事者