[一言で解説]
ある証拠の証明力を弱めることになる別の証拠。
[詳しく解説]
弾劾証拠とは、証言や供述の信用性を落とす証拠です。たとえば、目撃者が、捜査段階の事情聴取では「月明かりだけでは被告人の顔はおぼろげにしか見えませんでした」と供述していたのに、法廷では「月夜の晩だったので被告人の顔をはっきり見ました」と証言したとします。前の供述と矛盾した証言をする証人の証言は十分な信用性をもちません。そこで弁護人は、捜査段階での供述調書を弾劾証拠として提出し、その証言に信用性がないことを主張することができます。供述調書は、供述内容どおりの事実があったことを証明するために用いるときには伝聞証拠として排除されますが、弾劾証拠として用いる場面では、矛盾する発言があったことを証明するために用いられるものなので、伝聞法則は適用されません。