[一言で解説]
警察官や検察官が、被疑者や参考人を取り調べたときの供述を記録した書面。
[詳しく解説]
警察官や検察官が、捜査段階で被疑者を取り調べたり、被害者その他の関係人から聞いた事情を記録した書面を供述調書といいます。検察官が作成した供述調書を「検察官面前調書」、警察官のそれを「司法警察職員面前調書」といい、それぞれ「検面調書(検察官調書)」「員面調書」と略称されます。いずれの書面も法廷の外で話された「伝聞証拠」ですが、一定の要件を満たせば例外的に証拠能力が認められます。特に検面調書は、比較的ゆるやかに証拠能力が認められます。たとえば、捜査段階で犯行状況を検察官に詳しく述べていた目撃者が、その後、誰かに脅迫されたため、証人として呼ばれた法廷では「当時のことは覚えていない」と証言しているとします。検面調書が伝聞法則によって排除されてしまうと、このような有効な目撃者証言を証拠にできなくなります。そこで、(1)証人の法廷での証言が前の供述と異なっており、かつ、(2)法廷よりも前の供述が信用できる特別な情況を認められるときは、例外的に証拠能力が認められます。(1)を「必要性」、(2)を「特信性」または「特信情況」といいます。他にもいくつかの例外要件が刑事訴訟法で定められています(321条)。