[一言で解説]
自分の行為によって、犯罪にあたる事実が発生するかもしれないと思っていたが、発生すればそれでもいいと思っていること。
[詳しく解説]
未必の故意は、犯罪事実がいまだ必ずしも発生するわけではないが、発生すればそれはそれでいいと思っている場合です。発生する「かもしれない」と思っているにすぎない点で、確定的故意とは区別されます。しかし、「それでいい」という投げやりな心情に陥っている点で、犯罪結果を消極的に受け入れているわけですから、故意ありとして非難されます。たとえば、車を運転していて歩行者が飛び出しそうに見えたときに、ぶつかるかもしれないがそれでもいい、と思っているのが未必の故意です。これに対し、「かもしれない」と知りながら「大丈夫だ」と思っている場合は「認識ある過失」と呼ばれます。