景気の拡張期間は62カ月となり、戦後2番目の長さとなっている(2018年2月時点)。実質GDP成長率でみても2016年1~3月期以降、小幅ながら8期連続のプラス成長を維持している。しかしながら、景気は緩慢な回復傾向となっている。経済の総体的な動きだけでなく、少子高齢化の影響の顕在化により、経済変動を示す諸統計で解釈が難しい状況が生じている。有効求人倍率が過去最高を更新する一方で賃上げにつながらないという「人手不足なのに賃金が上がらない」状況が続いている。特に、日銀短観(17年12月調査)によれば、人手不足はほぼ全業種にわたり生じており、中でも建設業、運輸業では著しい。また、エンゲル係数が近年上昇傾向にあり、消費における余裕度が悪化しているとの見方もある。