欧州連合(EU)とアメリカによる包括的な自由貿易協定(FTA)のこと。合意が実現すれば、規模にして人口約8億人、世界の国内総生産(GDP)の44.9%を占める世界最大級の自由貿易圏が誕生することとなる。問題となるのは環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)と同様、非関税障壁の緩和である。特に、食と文化における非関税障壁の緩和交渉が焦点とされている。食については、遺伝子組み換え食品の取り扱いなど食の安全性に対する考え方がアメリカと欧州で異なっている。また、文化については、ハリウッド映画などアメリカの映像や音楽を交渉対象から外すようにフランスなどが要求しており、必ずしも順調とはいえない。