2007年6月に閣議決定された、安倍晋三内閣(当時)の政策の在り方を示した「経済財政改革の基本方針2007」のこと。「美しい日本の国づくり」の名の下に、一人当たりの労働生産性を向上させることによって、人口が減少する中で成長力の強化を図るとした。具体的には、以下のような方針が示されている。(1)「中小企業生産性向上プロジェクト」を09年度までの3年間に集中的に実施するとともに、地域力再生機構の創設を検討する。(2)最低賃金の引き上げを行う。(3)21世紀型の行財政システムを構築するため、08年度予算は歳出を最大限削減し、ふるさとに貢献できる税制を創設する(→「ふるさと納税」)。(4)道州制実現のための議論を深め、論点の整理をする。(5)温室効果ガス削減のための「環境立国戦略」を推進する。それに関連し、サマータイムの早期実施を検討する。(6)アメリカやEU(欧州連合)との経済連携協定(EPA)を将来の課題として検討する。これらの方針は、個別には理解できるものだが、順位付けがなされていないため、戦略の全体像は必ずしも明らかではないという問題を含んでいる。