1986年、南米のウルグアイで始まり、94年4月にモロッコのマラケシュで締結されたGATTの8回目のラウンド。このラウンドの結果、関税面では、加盟国の平均関税率が6.3%から3.9%へ引き下げられる成果があった。さらに重要な成果として、これまで貿易自由化が遅れていた農業と繊維の2分野における貿易自由化の進展があげられる。農業の分野では、輸出国に対して、輸出補助金額を36%、輸出補助金の対象となる輸出額を21%削減することが求められる一方で、輸入国に対しては、輸入割当による保護貿易措置を関税によって代替し、また将来の関税率を上げないことを求めた。繊維については、包括的な繊維の輸出自主規制であるMFAを10年間の猶予の後に廃止することが決められた。その他の重要な決定としては、WTO(世界貿易機関)の設立と体系的な紛争処理手続きの導入、アンチダンピング、補助金、セーフガード措置などの貿易措置の運用・手続きの明確化、サービス貿易の自由化の方針についてのGATS締結、などがあげられる。