貯蓄超過で余剰資金を運用したい経済主体(たとえば家計)から投資超過で不足資金を調達したい経済主体(たとえば企業)への資金の流れを円滑化させるために、貸出資産の証券化や投資信託などの市場型取引を利用すること。伝統的な間接金融は、銀行などの金融仲介機関が家計などから預金として集めた資金を企業などに貸し出すという形での相対(あいたい)型取引であった。また、金融仲介機関は、貸出債権を保有することによって借り手企業などの信用リスクを引き受ける一方、預金という安全性・流動性の高い金融商品を家計などに提供することによって資金の流れを円滑化していた。日本では、1950年代後半から60年代にかけての高度経済成長期を通じて銀行を中心とした間接金融が圧倒的な優位を占める一方、直接金融(企業の発行する株式や社債を、家計などの投資主体がそのまま購入するという形での資金の流れ)は未発達であった。しかし、90年代後半以降、銀行などの不良債権問題によって間接金融が一時は機能不全状態に陥ったことから、直接金融の活性化とともに、間接金融を市場型に転換することが求められるようになった。もっとも、サブプライムローン問題を契機とした08年夏以降の世界的な金融危機は、市場型間接金融に潜む問題点を浮彫りにした。