企業などが短期の資金調達のために発行する約束手形。住宅ローン債権やリース債権などの証券化のために作られた特別目的会社(SPC)が、それらの債権を担保として発行するCPは、特に資産担保コマーシャルペーパー(ABCP asset backed commercial paper)とよばれる。企業などがCPを発行する際には、借り換えが円滑にできなくなる場合に備えてバックアップライン(金融機関が供与する信用限度枠)を設定するのが通例である。2007年8月初のピーク時には2兆ドルを超えていたアメリカのCP市場残高が、サブプライムローン問題の影響でABCPを中心として同年秋に急速に縮小したため、欧米の大手金融機関やヘッジファンドなどが運営するストラクチャード・インベストメント・ビークル(SIV)とよばれる運用会社が相次いで破綻した。さらに、08年秋には金融危機を背景として一般の事業会社によるCP発行も困難化したため、同年10月にアメリカの連邦準備制度はCPの直接購入に踏み切った。日本銀行も、同年12月に、企業の資金繰り支援を狙いとしたCP購入(買い切りオペ)を時限的に実施する方針を決定した。