各国の金融当局・中央銀行などが、サブプライムローン問題に端を発した金融危機に対処すべく採用したさまざまな臨時異例の措置を徐々に縮小して、平常時の態勢に戻すための戦略。アメリカでは、政府によるマネー・マーケット・ファンド元本保証の廃止(2009年9月)、連邦預金保険公社による銀行債務保証の廃止(同10月)が実施されたほか、連邦準備制度理事会も、同年10月に国債買い入れを終了したことに加えて、コマーシャルペーパーの買い取りを通じた資金供給制度やプライマリー・ディーラー向け資金供給制度を10年2月末までに、モーゲージ担保証券や政府機関債の買い取りを同年3月末までに、それぞれ終了する方針を決定するなど、出口戦略を推進している。ヨーロッパでも、09年12月から欧州中央銀行が銀行への資金供給期間(危機対応として最大1年まで延長)を段階的に縮小し始めるなど、出口戦略に軸足を移しつつある。こうした動きに対応して、日本銀行も、09年1~3月に金融危機対策として導入した臨時異例の措置のうち、コマーシャルペーパーや社債の買い取りを09年12月末で廃止したが、その一方、企業金融支援特別オペについては10年3月末まで延長を余儀なくされるなど、深刻なデフレーションの下での出口戦略は難航している。