金融政策の操作目標である短期金利(日本ではコールレート)がゼロ%に低下してしまった場合でも、中央銀行がゼロ%の短期金利を将来にわたって継続すると約束することによって、市場参加者が将来の短期金利について抱く予想を低下させ、中長期金利を低下させて、さらなる金融緩和効果を生み出すこと。2001年3月から開始した「量的緩和政策」の下で、日本銀行が消費者物価指数の前年比が安定的にゼロ%以上になるまで同政策を続けると約束したことにより、より長めの金利も低下して、金融緩和効果を高めるよう働いたとされている。また、日本銀行は、09年12月にデフレ克服のための広い意味での「量的緩和政策」(潤沢な資金供給という意味)を実施するに際して、中長期的な物価安定の理解として「(消費者物価指数の前年比について)ゼロ%以下のマイナスの値は許容していない」との強い表現を打ち出すことによって時間軸効果を期待した。さらに、10年10月に開始した「包括緩和政策」においては、「ゼロ金利」を消費者物価指数が前年比1%程度になるまで継続すると発表することにより、時間軸効果の明確化を狙っている。