アメリカでの投資銀行(証券会社)、ヘッジファンド、証券化商品に関連した特別投資主体(SIV→「証券化」)などの金融業務形態の総称。預金・貸付業務を営む通常の銀行業務形態(バンキング)と対比して、影の銀行と呼ばれる。通常の銀行が金融規制監督当局によって厳しく規制されているのに対して、「影の銀行」に対する規制は緩く、その業務内容を金融規制監督当局が十分に把握できていないとされている。2000年代に入ってから銀行の投融資などを得て急拡大したシャドーバンキングが、07年以降のサブプライム・ローン問題を契機に行き詰まったことが、銀行部門に跳ね返って金融危機を深刻化させる重要な背景となった。10年7月に成立した「金融規制改革法(ドッド・フランク法)」に盛り込まれたボルカー・ルールは、銀行によるヘッジファンドへの出資を禁止するなど、銀行とシャドーバンキングの切り離しを企図している。