日米欧などの金融当局で構成する金融安定理事会(FSB)がグローバル-SIFIsを対象に2019年から実施することを予定している新たな資本規制。金融システムへの影響が大きい巨大金融機関は、総損失吸収能力(TLAC ; total loss-absorption capacity)の対リスク資産比率を19年に少なくとも16%とし、22年には18%に引き上げることを求められている。TLACとしては、バーゼル3で求められている自己資本に加えて、持ち株会社が発行する社債なども算入される。また、預金保険制度による将来の破綻に備えた預金保険料の積み立てがあれば、それも勘案される。新資本規制は、巨大金融機関が破綻の危機に陥った際に、債権者や預金者にも負担を負わせることによって、国民の税金投入などによる救済を最小限にとどめるのを目的としている。日本でこの規制の対象となるのは、三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループの3メガバンクであるが、TLACとして社債の参入が認められており、預金保険制度に基づく特例(2.5~3.5%相当)も適用されることから、規制の達成に不安はないとみられる。