各国中央銀行が進めてきた「量的金融緩和(QE)」(→「非伝統的金融政策」)を縮小すること(元来の意味は、ロウソクが燃え尽きるような「先細り」)。QE からの出口戦略の一環として、毎月の国債等資産購入額の規模を徐々に縮小していくことを指す。リーマン・ショック後3度にわたりQE を実施してきたアメリカの連邦準備理事会は、ベン・バーナンキ議長の下で2014年1月からQE3(月850憶ドルの資産購入)の段階的縮小を開始して、ジャネット・イエレン議長に交代後の同年10月末にはQE3 を終了させ、15年12月からの利上げにつなげた。また、15年1月にマリオ・ドラギ総裁の下でQE を開始した欧州中央銀行も、17年12月まで月600億ユーロであった資産購入額を18年1月からは月300億ユーロ(ただし、同年9月まで延長)に縮小した。一方、日本銀行の黒田総裁は2%のインフレ目標(→「インフレ目標政策」)が依然として未達成である現状を踏まえて、出口戦略の議論を封印しているが、現在の「長短金利操作付き量的・質的緩和」の下で、年80兆円を目途とする国債保有残高の増加額は足元では年50兆円台のペースに止まっており、「ステルス(隠密)・テーパリング」が進められているとみる向きもある。