証券取引所における株式売買で、株価や売買数量の変化に応じて、最適な価格、数量での注文執行を可能にするコンピューター・プログラムを用いて発注を行う取引手法。大口の売買を頻繁に行う機関投資家が活用し、とりわけPTSの発達しているアメリカでは、価格や数量だけでなく、注文執行の場も市場動向に応じて変化させるプログラムが利用されている。こうした取引手法は、機関投資家が自らの売買注文で株価を変動させてしまうマーケット・インパクト(market impact)を回避する上で有効だが、大口の注文が多数の小口注文に分割されるため、売買約定件数の増加につながる。たとえば、NYSE(→「NYSEユーロネクスト」)では、2000年以降、売買高が1.6倍程度伸びたのに対し、約定件数は約5倍に急増している。こうした処理件数の増加は、取引所のシステムにとって大きな負荷となり、取引システムの増強が必要となる。日本でも、最近、外国人投資家を中心にアルゴリズム・トレーディングが増加しており、東京証券取引所でも約定件数は増加傾向にある。