株主、とりわけ機関投資家が、株主総会の議案に白紙委任をせず、書面投票や総会出席で議決権を行使すること。かつての機関投資家は、業績不振企業や深刻な不祥事を起こした企業の株式は直ちに売却した。しかし、特定の株価指数(インデックス 市場全体の動きを示す指標)に連動させ、市場の平均的なリターンを得るパッシブ運用が拡大し、インデックスからのかい離を生む指数構成銘柄の売却は難しくなった。また、アメリカのカルパース(カリフォルニア州職員退職年金基金)のような巨大年金基金は、アクティブ運用(インデックスを上回るリターンをめざす運用)を志向しても、事実上すべての銘柄を組み入れざるを得ない。このため、1990年代以降、議決権行使で問題企業のコーポレート・ガバナンスを強化することが運用パフォーマンスの向上に有効だとする考え方が広がった。日本でも、近年、多くの機関投資家が議決権行使を積極化しているほか、大量の株式を取得して経営陣に対する強い働きかけを行うアクティビストファンドも増えている。