上場企業が、投資ファンドの支援を得た経営陣による株式取得(MBO マネジメント・バイアウト)を通じて上場を廃止し、非公開会社となること。従来、上場廃止は、会社更生法申請など経営の行き詰まりが原因となるものがほとんどであった。しかし、上場していると、ディスクロージャー(→「情報開示制度」)規制が課され、上場賦課金の負担もある上、敵対的買収の危険にもさらされる。さらに、近年では、コーポレート・ガバナンスへの関心の高まりから、機関投資家が経営監視を強めている。そこで、当面、資本市場から資金を調達する必要が少なく、株式の売買も低調な企業の場合、上場維持によるコストがメリットを上回るとして、業績は順調でも、戦略的に非公開化を進める例が現れた。アメリカでは、既に多くの企業が、戦略的非公開化を行っており、日本でも、2005年7月にワールドが非公開化を発表し、注目を集めた。その後もいくつかの例が相次いでいる。