アジア債券とは、アジア債券市場(ABM;Asia Bond Market)における各国の政府・企業が発行する債券で、域内の潤沢な資金を域内投資に向けるために育成されているもの。1997年に勃発したアジア通貨危機の原因として、アジア各国の金融機関が長期の設備資金の資金調達を、自国の通貨ではなく米ドル等の外貨での短期貸し付けに依存(ダブル・ミスマッチ)したことがあげられる。経済の悪化によって、海外の金融機関が資金を引き揚げ、資金繰りが悪化。アセアンプラス3財相会議にてチェンマイ・イニシアティブ(CMI ; Chiang Mai Initiative)とともに「自国通貨建ての社債市場」を発達させることに合意し、アジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI;Asian Bond Markets Initiative)等によって推進。近年、高い経済成長で企業の資金需要が旺盛となり、東アジア債券残高の伸びが目立っている。銀行からの借り入れに頼る資金調達が多様化し、インフラなどの事業展開が加速する可能性も。