地域的に均衡がとれ、各地域の相互作用・補完の仕組みが整った、中国における循環型経済社会建設のための発展。第11次5カ年計画でも重要課題とされる。全国の地域について、人口、資源、環境負担、潜在能力などに合わせて機能的な位置づけを明確化し、最適開発、重点開発、開発制限、開発禁止を実施する。最適開発には、珠江デルタ、長江デルタ、北京や天津を含む環渤海(河北省、遼寧省、山東省、北京市、天津市)があり、これら3地域はいずれも都市の産業クラスターを形成する地域で、内陸部の経済発展を牽引する中心と期待されている。第11次5カ年計画では、環渤海に属する天津市の天津経済技術開発区を中心とする天津濱海新区の開発が総合発展戦略に盛り込まれ、国務院は、面積2270km2の新区を全国総合・複合改革試験区として認定した。政府は、ここを深センや上海浦東に並ぶモデルケースにする意向で、環渤海地区、さらには東北地区など北方内陸地域全体の相互補完的かつ相乗的な発展を企図する。なお、重点開発は、発展の遅れた西部大開発と東北振興などで、産業クラスター形成をめざすが、釣り合いのとれた合理的な地域発展構造を形成するとしている。また、都市化の健全な発展のための大都市を集積し、中小都市と調和のとれた発展を図るともしている。