ユーザー、つまり利用者としての消費者と、ショッパー、つまり購入者としての消費者は異なる、という視点から生まれた新しいマーケティング発想である。購入者と実際の利用者が異なることもあるし、同じ人であっても買うときの気持ちと利用するときの気持ちは異なるかもしれない。ユーザーとショッパーの違いをしっかりと認識し、消費者行動をより深く、より現実的に、より全体的に捉えようとするアプローチといえる。ソーシャル・メディアの普及やグローバル化の浸透により、マーケティングやビジネス全体が大きな革新を遂げつつある中で、消費者行動分析も新しいステージに進化しつつある。製品をいかに人々へ売り込むかに焦点が当てられていた段階では、顧客1000人あたりの売り上げ個数(PI値)、需要の価格弾力性などに注意を向けていれば事足りた。しかし、市場の成長が鈍化しコモディティー化も進むと、顧客満足の高度化を避けて通ることができなくなり、顧客とのリレーションシップ構築こそ鍵であると認識された。そして近年のマーケティング3.0の段階では、ショッパー・マーケティングなどの分析視点がクローズアップされるようになっている。