日本市場に参入した海外、特に欧米の大手小売企業のこと。1975年の流通資本の完全自由化以降、参入と撤退を繰り返している。80年代までは日本企業との合弁やノウハウ供与形式が主体だったが、90年代以降は大店法(大規模小売店舗法)規制の緩和と日本特有の取引慣行や制度が改善されたことや、不況下での地価の下落などによって直営(日本子会社設立)方式での参入が増えた。先駆例は89年に進出し、2000年には100店舗体制を確立したトイザらスである。1999年にはアメリカのホールセールクラブ第1位のコストコが、2000年末にはハイパーマーケットのカルフール(フランス)が完全子会社方式で参入した。世界最大の小売業であるウォルマート・ストアーズは02年に西友と提携、イギリスのスーパーマーケット第1位のテスコは中堅スーパーマーケットのシートゥーネットワークを買収、日本市場進出の足がかりを得た。しかし05年春にイオンに全8店舗を売却し撤退したカルフールをはじめ、総合小売業の多くは低迷している。それに対してコストコやIKEA(イケア 06年進出)、H&M(08年)などは、日本の小売業にはない個性と高い専門性が人気を集め、好業績で推移している。