2009年の流行語大賞を受けた政治用語。これまでにも、もちろん何度も政権交代があったが、09年総選挙においては何かまったく新しい政権交代になるのではないかという期待を込めて、この言葉が使われた。自由民主党が1993年の10カ月間の中断を除いて、半永久的な優位政党として政権にあった55年体制下にあっては、政権交代は自民党内のいわゆる「政権たらい回し」でしかなかった。しかし2009年には、自民・公明連立政権から民主党中心の連立政権への明確な政党間の政権交代があった。それは閣僚をはじめとする政府人事の交代だけでなく、政策と政治手法の刷新を意味している。鳩山政権の場合、新しい政治手法は、「脱官僚政治」と「対等な日米同盟」の二点を指しているようである。