議会は弁論の戦いによって、政治における生産的な役割を果たすことができる。日本の国会は、口頭質問の廃止などによって戦前の帝国議会に比べ弁論の機会は少なかったが、1999年の国会審議活性化法で政府委員制度を廃止し、党首討論を導入するなど、弁論の活性化が試みられた。また民主主義理論においても、80年代頃から討議民主主義や熟議民主主義などの理論が提唱され、弁論の意義が説かれている。しかし一方で現実としては、自由民主党(自民党)単独ないし自民党中心の連立政権から2009年の民主党中心の政権への交代と、12年の自民党中心の連立政権への復帰を経験することで、かえって生産的な弁論よりも、政権獲得を目指した抗争の激化がもたらされているとの見方もある。