政党が官僚に頼らないで自立的な政策立案を行うことを目指して設立した政策研究機関。自由民主党(自民党)は2006年3月15日、有限責任中間法人「シンクタンク2005・日本」(代表理事鈴木崇弘)を設立。6月5日、開所式を行った。安倍晋三首相(総裁)が幹事長当時に候補公募制などとともに党改革の一環として提案。当初は、アメリカの保守系シンクタンクの「ヘリテージ財団」並みに常勤の研究者を置く本格的な機関とする構想だったが、日本では研究者が政党色を嫌う傾向があることや資金面から常勤研究者は置いていない。「小さな政府の定義」について久保文明東大教授らに、また「3%成長への経済政策」についてクライン・ペンシルベニア大名誉教授(ノーベル経済学賞受賞者)らにそれぞれ研究を依頼した。このほか自民党は党則50条に定められた「総合政策研究所(総研)」がある。民主党は05年11月25日、「公共政策プラットフォーム(略称プラトン)」(代表理事仙谷由人)を設立。同12月には設立記念シンポジウムを開いた。こちらも常勤研究員は置いていない。09年8月総選挙後、自民党は資金難から「シンクタンク2005・日本」の廃止を検討、民主党は政策調査会を廃止したうえに、党の政策立案機能を政府に一元化するため「プラトン」事務所を閉鎖。政党シンクタンクも未成熟なまま事実上消滅した。