2002年7月の経済財政諮問会議に示された分権財政改革案。まず国庫補助金(→「国庫支出金」)を削減し、その財源を地方税と交付税に移譲する。同時に交付税総額を縮小する。もとは「片山プラン」という総務省の提案である。04年6月には06年までに3兆円の補助金削減と所得税の一部を地方税に移譲することが閣議決定された。基本は分権改革をバックアップできる自治体財源の仕組みを構築するところにあるとされた。05年末の政府・与党合意で、争点となっていた生活保護費の負担率引き下げの代わりに義務教育費国庫負担金と児童扶養手当、児童手当の国庫負担率を引き下げ、税源移譲を行うというかたちで決着をした。これには地方の裁量が利かない負担転嫁に過ぎないという批判がある。また、結果的には地方一般財源の中心である地方交付税の総額の圧縮(5兆円規模)に道を開いたとも言える。そして、その減額割合が財政力の弱い自治体(過疎県、町村)ほど大きく、地域の財政力格差を拡大したという指摘がある。